夫婦ふたりで歩む人生を選んだけれど、時間が経つにつれて心のどこかに迷いが生まれることもあります。
穏やかに見える毎日の中で、このまま一緒に過ごしていくことが本当に自分の幸せにつながるのか、不意に立ち止まって考えてしまう瞬間が訪れることもあるのではないでしょうか。
特に40代や50代を迎える頃は、人生の節目を感じやすく、夫婦の在り方をあらためて見つめ直す時期でもあります。
子なし夫婦の離婚率が注目される中で、性格の不一致や共働きによるすれ違い・浮気・セックスレスなど、表には出にくいけれど確かに存在する理由が、静かに気持ちの距離を広げてしまうことがあります。
嫌いじゃないけど離婚を考えてしまう、そんな心の揺らぎに戸惑う方もいるかもしれません。
この記事では、40代子なし夫婦や50代子なし夫婦の離婚率の実情、共働きのすれ違いや、子なし夫婦に増えている離婚の背景などを、世代や状況別に整理しながら紹介していきます。
また、離婚を選ぶまでの迷いや決断、その後の暮らし方までをていねいにたどりながら、子なし夫婦としてどんな未来を描いていけるのかを一緒に考えていきます。
スピード離婚に至るケースから、長年連れ添っての離婚まで、そこにある感情は人それぞれです。
ときには、仲良しに見える夫婦関係の裏側に、声にできない葛藤が隠れていることもあるでしょう。
筆者自身の経験も交えながら、自分の気持ちに正直でいること、そしてこれからの人生をどう歩むかを見つめ直すヒントになればと思います。

子なし夫婦の理由やメリット、家や暮らし方を含めたリアルな選択肢にふれることで、離婚を迷っている方が少しでも前向きな気持ちで自分のこれからを考えられるような時間となれば幸いです。
子なし夫婦が離婚を選ぶ理由とは?世代別・状況別のリアルな背景
- 40代子なし夫婦の離婚率に見る現実
- 嫌いじゃないけど離婚を考える子なし夫婦の本音
- 性格の不一致で離婚に至る子なし夫婦のパターン
- 共働き子なし夫婦が抱えるすれ違いの原因とは
- 浮気がきっかけになる子なし夫婦の典型的なケース
40代子なし夫婦の離婚率に見る現実
結婚生活が長くなるにつれて、夫婦の関係性も変化していきます。
特に子どもを持たない40代夫婦の場合、将来への価値観の違いや生活リズムのズレが顕著になり、離婚という選択をするケースも少なくありません。
厚生労働省の統計によれば、40代夫婦の離婚は全体の約20%を占めており、その中には一定数の子どもを持たない夫婦も含まれています。
子なし夫婦に限定した公的データは少ないものの、民間の調査では、40代離婚経験者のうち約30〜40%が子どもを持たない夫婦だったという結果もあります。
表面的には穏やかに見える関係でも、内面にはすれ違いや孤独感が積み重なっていることが多いのです。
【参考資料】『厚生労働省『令和4年度「離婚に関する統計」の概況』PDF』
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/tokusyu/rikon22/dl/gaikyo.pdf
嫌いじゃないけど離婚を考える子なし夫婦の本音
特別な理由があるわけではないけれど、ふと「このままでよいのか」と心によぎる。そんな静かな迷いから、離婚という選択肢が頭をよぎるという方もいるかもしれません。
これは珍しいことではなく、多くの人が一度は感じたことのある、心の中の揺れ動く感情です。
気持ちが冷めたわけではなく、相手のことを今でも大切に思っている。でも、何かがしっくりこない。
そんな思いの背景には、日々の暮らしの中で芽生えるさまざまな感情があります。

あなたも次のような感情に陥ったことがあるのではないでしょうか。
変化のない日常に感じる物足りなさ
穏やかな毎日は心地よいものですが、いつの間にかマンネリを感じてしまうこともあります。
日常が淡々と過ぎていく中で、心にぽっかりと空いたような感覚を抱くことがあるかもしれません。
こうした小さな違和感が積み重なり、将来への不安に変わっていくことがあります。
自分らしさを取り戻したい気持ち
長く一緒にいると、相手に合わせることが自然になり、自分自身の気持ちに目を向けることが少なくなりがちです。
そんな中でふと、「本当はどうしたいんだろう」と立ち止まって考える瞬間があります。この気づきが、これからの人生をどう生きたいかを見つめ直すきっかけになることもあります。
こうした繊細な気持ちは、他人には伝わりにくいかもしれません。でも、自分自身にとってはとても大切な感情です。
離婚を考えることは決して否定的なことではありません。より自分らしく生きるための選択肢のひとつとして向き合っていくことが大切なことです。
性格の不一致で離婚に至る子なし夫婦のパターン
最初は些細な違いと思っていたことが、長い時間をかけて大きなズレへと変わっていくことがあります。
性格の不一致は、明確な原因が見えにくいために周囲にも相談しづらく、内面でじわじわと関係に影を落とすことがあります。
考え方や感じ方の違いはどんな夫婦にもあるものですが、それが「歩み寄れない」「理解されない」と感じるようになると、心の距離が開いていきます。
ふたりの間に温度差が広がると、一緒にいても孤独を感じるようになり、それが離婚という選択につながることもあります。
共通の目標や家庭像が描きにくいと、価値観のズレを埋める糸口が見つかりにくくなります。
とくに、一緒に過ごす時間の中で「違和感」を抱き続けたまま過ごすのは、心に小さな疲れを積み重ねてしまう要因にもなります。
共働き子なし夫婦が抱えるすれ違いの原因とは
経済的な自立や生活の自由度が高い共働きの夫婦は、一見するとバランスが取れているように見えますが、日常の中にはすれ違いが生まれやすい要素も多くあります。
その背景にある原因について見てみましょう。
生活リズムのズレ
仕事の時間帯や勤務形態の違いから、顔を合わせる時間が減ってしまうことがあります。
たとえ同じ空間にいても、お互いが心地よく過ごすタイミングが噛み合わないと、自然と会話が減り、距離を感じてしまうことがあります。
家事や役割分担の不満
忙しさに追われる中で、「どちらがどれだけやっているか」が気になってしまうことがあります。
お互いに頑張っているつもりでも、不公平感が積み重なると小さな不満が大きなストレスになり、関係に影を落とすことがあります。
気持ちの共有不足
お互いが仕事に集中していると、気づけば心のやりとりが後回しになってしまうことがあります。
気持ちを伝えるタイミングを逃すことで、「理解してもらえない」「分かってもらえない」と感じ、すれ違いが深まってしまうこともあります。
このように、共働きならではのリズムや生活スタイルが、気づかないうちにふたりの距離をつくってしまうことがあります。

日々の小さな思いやりや、ほんの少しの歩み寄りが、すれ違いを防ぐ大切な鍵になるのかもしれませんね。
浮気がきっかけになる子なし夫婦の典型的なケース
夫婦間の浮気はどの家庭にも起こり得る深刻な問題ですが、それがきっかけで子どものいない夫婦の関係は大きく揺らぎがちです。
子どもがいない分だけ夫婦ふたりの繋がりが中心となるため、浮気によって生じる心理的な衝撃や感情のもつれは一層直接的に夫婦関係に影響します。
次に、浮気がきっかけになりやすい子なし夫婦の典型的な背景や状況、浮気発覚後の心理的な揺れ、そして感情の行き違いとその結末について触れていきます。
浮気に至りやすい背景とすれ違い
最もよく見られる背景の一つに、寂しさや孤独感があります。
夫婦ふたりの時間が長くなるほど、心の支えを外に求めやすくなることがありますす。
また、子どもに関する価値観の違いや、どちらかが子どもを望んでいたけれどかなわなかった場合などに、心のわだかまりが残ることも。
こうした小さなすれ違いが積み重なると、やがて浮気という行動につながってしまうことがあります。
浮気発覚後に起こる心の揺れ
パートナーの浮気が発覚すると、信頼が一気に崩れ落ち、どうすればいいのか分からなくなってしまいます。
特に子どもがいない夫婦の場合、夫婦関係の再構築か、別々の道を選ぶかという決断にストレートに向き合うことになります。
離婚を選ぶ夫婦もいれば、関係の修復を目指す夫婦もいますが、どちらの選択にしても冷静な判断ができるまで少し距離を置くことも大切です。
感情の行き違いが亀裂を生む
浮気をした側が軽く考えていたり、謝罪の仕方に誠意が感じられなかったりすると、相手の心はますます閉ざされてしまいます。
中には、浮気相手に本気になってしまい、自ら離婚を申し出るケースもあります。
一方で、浮気された側が傷つきながらも「やり直したい」と願う場合もあります。気持ちの温度差や方向性の違いが、関係修復の妨げになることも少なくありません。
夫婦の選択と未来
浮気という出来事をきっかけに、夫婦がどう向き合い、どんな道を選ぶかは様々です。早期に離婚に至る夫婦もいれば、時間をかけて信頼を取り戻す努力をする夫婦もいます。
また、気持ちは冷めているけれど、経済的な理由や世間体から離婚に踏み切れず、仮面夫婦のような状態で暮らし続ける選択をする場合もあります。
いずれにせよ、浮気がきっかけで関係が変わるとき、最も大切なのは自分の心に正直になることではないでしょうか。

誰かの期待ではなく、自分がどう生きたいのか。その答えを見つけることが、新しい一歩につながっていきます。
子なし夫婦の離婚を後悔しないために知っておくべきこと
- アラフォー子なし女性が離婚前に考えたこと
- 50代子なし夫婦の離婚率と再出発の現実
- セックスレスと子どものいない結婚の難しさ
- 離婚がよぎったあの日のことと今だから思うこと(筆者の経験)
アラフォー子なし女性が離婚前に考えたこと
あなたが離婚を意識し始めたアラフォーなのであれば、今、不安な気持ちが大きいのではないでしょうか。
「この先ひとりで生きていけるのだろうか」
「もう新しい出会いなんてないのでは」
など、頭の中をぐるぐるとよぎる思いが止まらなくなることもあります。
長く連れ添った夫との別れは、感情的な痛みだけでなく、経済的な不安や生活の変化もともなうため、すぐに決断できるものではありません。
とくに日々の生活に大きな問題がない場合、「離婚するほどのことではないのかも」と自分に言い聞かせてしまうこともあります。
このままの毎日を、あと10年、20年と続けていけるのか…。そんな問いが心の奥に浮かんでくることもあるかもしれません。
愛情はあるけれど満たされない、安心はあるけれどときめきがない。そんな曖昧な感情が、離婚という選択をそっと意識させることもあります。
現実的な生活設計の確認
離婚を決意する前に、多くの女性がまず考えるのは「ひとりでやっていけるのか」ということです。
住まいや収入、老後の備えなど、漠然とした不安をひとつひとつ現実的に整理していくことで、心の準備が整っていきます。
自分の気持ちに正直になれるか
「寂しさに耐えられるか」よりも、「今の関係を我慢し続けられるか」という視点で考える女性も多くいます。
自分の人生にとって何が一番大切か、どんなふうに生きていきたいか。
離婚を前向きな選択とするには、自分の本音と丁寧に向き合うことが欠かせません。
50代子なし夫婦の離婚率と再出発の現実
50代になると、長年連れ添ったパートナーとの関係を「このままでいいのだろうか」とあらためて見直す方が増えてきます。
世代としては離婚に対する心理的ハードルが高かった層でもありつつ、近年は50代以上の熟年離婚も珍しくなくなりました。
特に、子どもがいない夫婦にとっては、子育てが終わるタイミングもないため、夫婦の関係性が変化するきっかけが見えにくいことがあります。
その分、心の中にある違和感や距離感が長く放置されてしまうこともあるのです。
50代の離婚率と背景
近年では、50代以上の離婚件数が増加傾向にあります。
厚生労働省の令和4年統計によると、50〜54歳の離婚率は男性で約1.64、女性で約1.52(人口千対)となっており、40代に比べるとやや低下は見られるものの、決して無視できない数字です。
(出典:厚生労働省『令和4年度 離婚に関する統計の概況』)より
原因として多く挙げられるのは、価値観のズレや会話の減少、そして心のすれ違いです。
長年の積み重ねで冷静に判断できるようになる一方、「もう残りの人生は自分のために使いたい」と思い切る人も少なくありません。
離婚後の再出発に必要な視点
離婚後にひとりで生きていくには、経済面や住環境の見直しが重要になります。
また、新たな人生を始めるには「何を手放し、何を得たいのか」を明確にすることが、自分らしい再出発への一歩になります。
50代は、まだまだこれからの人生を形づくれる年代です。過去にとらわれず、自分の幸せに正直になることが、これからを豊かに生きるための鍵になるのかもしれません。
セックスレスと子どものいない結婚の難しさ
結婚生活において、性のあり方はとても繊細なテーマです。
日々の忙しさや体調、気持ちのずれなど、さまざまな理由から自然とセックスの頻度が減ってしまうことは珍しくありません。
しかし、子どもがいない夫婦にとっては、セックスレスがより深い問題として心に影を落とすことがあります。
心の距離と身体の距離
セックスレスが続くと、身体のつながりがないことで心の距離まで感じてしまうことがあります。
ふたりの間に触れ合いや親密さがなくなると、どこかで「もう夫婦として見られていないのでは」と不安になることも。
また、拒まれる側が「自分に魅力がないのかも」と感じたり、応じる側が「義務のように思われているのでは」と感じたりすることで、すれ違いがさらに深まってしまうことがあります。
話し合いの難しさ
性のことは、どちらかが我慢すればいいと考えがちですが、それでは根本的な解決にはなりません。
とはいえ、正面から切り出すには気まずさや恥ずかしさもあり、なかなかうまく話せないという声も多く聞かれます。
「今さら改まって話すなんて」「空気が気まずくなるのが怖い」など、思いはあっても言葉にできず、時間だけが過ぎてしまいます。
将来への不安と孤独感
子どもがいない夫婦にとって、セックスレスは「この先ふたりでどう生きていくか」という将来像にも影響してきます。
家族としての絆のかたちが揺らぐように感じ、「このまま歳を重ねていって、本当に大丈夫だろうか」と不安になることもあるでしょう。
ふたりの関係が安定していても、「どこか満たされない」と感じる気持ちを抱えたままでは、やがて心の距離が離れてしまう可能性もあります。
歩み寄りのきっかけをつくるには
セックスレスについて話すことは勇気がいることですが、相手の気持ちを知ろうとする姿勢はとても大切です。
たとえば「最近ちょっと寂しいな」など、気持ちをやわらかく伝えることから始めてみるのもひとつの方法です。
また、専門家に相談したり、第三者を間に入れてみたりすることで、冷静にお互いの考えを伝え合える場合もあります。
関係を深めたいという気持ちを軸に、ふたりで少しずつ前に進む工夫が必要だと言えます。
セックスの有無は夫婦それぞれのかたちでよいはずですが、もしどちらかが苦しんでいるなら、その気持ちに目を向けることが何よりも大切です。

ふたりの未来を守るために、今できる小さな一歩を探してみてはいかがでしょうか。
離婚がよぎったあの日のことと今だから思うこと(筆者の経験)
最後に私(筆者)の経験を話したいと思います。
結婚してまだ2年も経たない頃、夫の仕事がとても忙しく、ほとんど顔を合わせることができない日々が続いていました。
朝早く出て、夜中に帰ってくる。そんな生活の中で、ふと「私はなんのために結婚したのだろう?」と思ったことがあります。
このままの生活を続けるくらいなら、人生をやり直す方がいいのでは??
そんな考えがよぎったのも事実です。ただ、夫への愛情がなくなったわけではなかったので、深刻に思い詰めるところまではいきませんでした。
とはいえ、そのときの私は、夫に対して「離婚した方がいいのでは」と口にしてしまいました。夫はとてもショックを受けていましたし、今振り返ると、軽はずみにそんな言葉を言ってしまったことを後悔しています。
せっかく縁があって結婚し、ともに夢や希望を描いていたはずなのに、その気持ちを思い返す余裕がなかったのかもしれません。
「私たちはどんな未来を目指していたんだろう」と、あのとき自分自身に問いかけてみるべきだったと感じています。
ただ、だからといって「我慢し続けなさい」と言いたいわけではありません。
大切なのは、自分の気持ちに正直になりながら、現状を冷静に見つめること。そして、その気持ちを相手に丁寧に伝えることだと思います。
周りの友達に相談することもとても心強いですが、最後に決めるのはあなた自身です。
「自分がどうしたいのか」「どんな人生を生きたいのか」、そして「今の夫婦関係がその未来にどう関わってくるのか」を、ゆっくり考えてみてください。

迷いながらでも、自分の気持ちを置き去りにしないこと。それが、後悔しない選択につながっていくはずです。
【まとめ】子なし夫婦が離婚理由として直面しやすい背景と考え方
この記事のまとめです。
- 40代は人生を見つめ直す節目であり、離婚を考える夫婦が増えやすい
- 愛情はあるが満たされないという微妙な感情が離婚のきっかけになる
- 性格の不一致は見えにくいズレとなり、心の距離を広げていく
- 共働き夫婦は生活リズムや家事分担のズレからすれ違いが生じやすい
- 仕事中心の生活で心の交流が後回しになると関係が冷めやすくなる
- 浮気は夫婦間の孤独感や価値観のすれ違いから起こりやすい
- 浮気が発覚したあとの温度差が離婚や仮面夫婦化の原因になる
- 仮面夫婦状態はお互いにとって精神的負担となりやすい
- アラフォー女性は「このままでいいのか」と将来を不安視しやすい
- 経済的な自立と生活設計が離婚の判断に大きく影響する
- 50代は「残りの人生を自分のために使いたい」という思いが強まる
- セックスレスは心の孤独感や将来への不安を強めやすい
- 性の話し合いが難しいことで気持ちのすれ違いが深まる
- 離婚を口にする前に、自分の気持ちと夫婦の未来を見直すことが大切
- 友人の助言も参考になるが、最終的な決断は自分の気持ちを軸にする
この記事、お役に立てたら嬉しいです。
ありがとうございました。
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